胃が痛いときに考えられる原因と、受診の目安について

「最近なんだか胃の調子が悪い」「食べたあとに胃がキリキリと痛む」「空腹時になるとムカムカしてくる」——
こういった症状は、日常の中でもよく見られるものです。ですが、痛みの頻度や強さ、持続時間、その他の症状といった点に注意を向けると、そこには重大な疾患が隠れている可能性もあります。

胃の痛みは、単なるストレスや食べ過ぎ・飲み過ぎによるものと思われがちですが、原因は一つではありません。急性胃炎や慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんや機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)といった、より深刻な病気が背景にあることもあります。

特に以下のような症状がある場合は、自己判断せず早めの受診をおすすめします:

  • 空腹時や食後の胃痛が繰り返し起こる
  • 胸やけや吐き気が頻繁にある
  • 食欲が落ちてきた、体重が減ってきた
  • 黒っぽい便(消化管出血の可能性)がある
  • 胃薬を飲んでも改善しない、またはすぐ再発する

このような症状がある場合、「単なる胃の不調」では済まされないことがあります
若い方でもストレスや生活習慣の乱れで胃に負担がかかるケースは多く、特に働き盛りの世代では、忙しさから症状を後回しにしがちです。しかし、症状が慢性化してからの受診では、病気が進行していることも少なくありません。

特に心配されるのが、「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」の感染です。ピロリ菌は胃の粘膜に住み着き、慢性的な炎症を引き起こすことで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんのリスクを高めることが知られています。感染しているかどうかは血液検査や呼気検査などで調べることができ、陽性であれば除菌治療が可能です。除菌により、将来の胃がんリスクを大きく減らすことができます。

診察や問診だけでは、胃の中で何が起こっているのかを正確に把握するのは難しい場合があります。そのため、当院では必要に応じて**胃内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)**を行います。内視鏡を使えば、胃の粘膜の状態や炎症、潰瘍、ポリープなどを直接観察することができ、見逃しの少ない診断が可能になります。

「胃カメラは苦しそう」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、現在では細いスコープを鼻から挿入する経鼻内視鏡や、軽い鎮静剤を使用して眠っているような感覚で行える方法など、患者さんの負担をできるだけ軽減した検査方法が選べるようになっています。当院でも、できるだけ楽に検査を受けていただけるように配慮しています。

また、検査結果によっては、日常生活の改善指導、内服治療、ピロリ菌の除菌など、専門的なアプローチを組み合わせた治療計画をご提案いたします。検査をして終わりではなく、症状の経過に応じて継続的なフォローも大切にしています。


ご案内

胃の不調は、つい「そのうち治るかも」と我慢してしまいがちです。ですが、体が発しているサインには必ず意味があります。些細な不調も、大きな病気の始まりである可能性はゼロではありません。

岡田医院では、消化器内科を専門とする医師が、丁寧にお話を伺いながら診察と検査を行っております。必要があればその場で胃カメラのご予約も可能です。「どこで診てもらえばいいのか迷っている」という方も、まずは気軽にご相談ください。あなたの健康を、専門的な知識と確かな検査技術で支えます。