高血圧の予防と治療法
「最近、血圧が高めだと言われた」「高血圧を予防する方法が知りたい」
高血圧は、日本人にとって非常に多い病気で、心臓病や脳卒中のリスクを高めることが知られています。特に、症状が自覚しにくいことから、知らず知らずのうちに進行してしまうことがあります。しかし、高血圧は適切な治療と生活習慣の改善によってコントロール可能です。今回は、高血圧の予防と治療法についてお話しします。
高血圧とは?
高血圧は、血管内の血圧が異常に高い状態を指します。血圧は、**心臓が血液を送り出す力(収縮期血圧)と、心臓が休んでいる時の血液の圧力(拡張期血圧)**の2つの数字で表されます。血圧が高いと、心臓や血管に過度な負担がかかり、動脈硬化や心臓病、脳卒中など、深刻な病気の原因となることがあります。
高血圧の基準は、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上とされています。これを上回る場合、高血圧と診断されることになります。
高血圧を予防するための生活習慣
高血圧の予防には、日常的に意識する生活習慣の改善が重要です。以下のポイントを参考にしてください。
1. 塩分の摂取を減らす
塩分(ナトリウム)の摂取が多いと、血圧が上昇しやすくなります。特に加工食品や外食、インスタント食品に多く含まれているため、食事の際には塩分の摂取量に注意することが大切です。日本人の平均的な食塩摂取量は推奨量を超えていることが多いため、積極的に減塩を心がけましょう。
2. バランスの良い食事
野菜や果物、魚、豆類を中心にしたバランスの取れた食事は、高血圧の予防に有効です。特に、カリウムを豊富に含む食品(例えばバナナやほうれん草)は、血圧を下げる効果があります。また、脂肪分の多い食べ物や過剰な糖分は、血圧に悪影響を与えることがありますので、控えめにしましょう。
3. 適度な運動
定期的に軽い運動をすることは、高血圧の予防に効果的です。ウォーキングやジョギング、軽いストレッチなどを毎日30分程度行うことを目指しましょう。運動によって心臓が強くなり、血管の柔軟性が高まり、血圧が安定します。
4. 禁煙と節度ある飲酒
喫煙は血管を収縮させ、血圧を上げる原因となります。また、過度の飲酒も血圧を上昇させるため、飲酒は控えめにしましょう。アルコールの摂取は、1日あたり男性で2杯、女性で1杯が目安です。
5. ストレスの管理
ストレスが溜まると交感神経が活発になり、血圧が上がりやすくなります。リラックスする時間を持つこと、趣味に没頭すること、深呼吸や瞑想を取り入れることなどで、ストレスの軽減を心がけましょう。
高血圧の治療法
すでに高血圧と診断されている場合、生活習慣の改善に加え、薬物療法が必要になることがあります。高血圧の治療には、主に以下の薬が使われます:
1. 利尿剤
体内の余分な水分を排出することによって、血圧を下げる働きがあります。これにより、血液量が減少し、血圧が安定します。
2. ACE阻害薬・ARB
これらの薬は、血管を拡張させる作用があり、血圧を下げる効果があります。特に、心臓病や糖尿病を併発している場合に使用されることがあります。
3. カルシウム拮抗薬
カルシウムが血管の筋肉に作用するのを抑えることによって、血管を拡張し、血圧を下げる薬です。
4. β遮断薬
心臓の働きを抑え、心拍数を低下させることによって血圧を下げます。心臓病や動悸がある場合にも使われます。
薬物療法は、医師の指導のもとで適切に行う必要があります。自己判断で服薬を中止したり変更したりすることは避け、定期的な通院と血圧測定が大切です。
高血圧を放置すると…
高血圧を放置すると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。また、腎臓や目の血管にも影響を与え、腎不全や失明の原因となることもあります。高血圧の症状は初期段階では自覚症状が少ないため、定期的な血圧測定を行い、異常を早期に発見することが大切です。
ご案内
高血圧は「静かな病気」とも呼ばれ、早期に対処しないと大きな健康リスクにつながります。岡田医院では、血圧の管理とともに、生活習慣改善のアドバイスも行っています。血圧に関する心配や疑問がある場合は、ぜひご相談ください。専門的な検査と治療で、健康を守るお手伝いをさせていただきます。